冬の星々(140字小説コンテスト2025)応募作


お題:「天」

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さる屋敷の下女の娘は針を失くした罰に厩で寝るよう命じられたが臭いに耐えかね外に出たところ星空の下で惨めさは増し目は涙で潤み錦が揺れるのを見た気がしたがそれは幻でなく真に天女の衣であり娘に涙の訳を問うた天女は「天衣は針も糸もいらぬ」と娘と共に消えた。私は見た。ゆえに天衣無縫である。
「天ぷらってダルいよね」「わかる」「揚げ物は基本ダルいけどさ、から揚げは、揚げ焼きがあるじゃん」「あれも油けっこう使うけど」「何より下ごしらえがさ」「ねぇ〜」ままごとで盛り上がる女児ふたりの母親たちは取り繕うべきか開き直るか互いに迷った。逡巡は一瞬だった。両者の心は一致していた。
君が嘘をつくと背中から白く輝く天鵞絨がすとん、すとんと生まれる。それがあまりに美しいから、君はさる場所で飼われている。私は訊く。「これ美味しい?」「不味い」些細な嘘じゃ駄目。「ここを出たい?」「出たくない!」この嘘は君の身体を包むほどに大きい。これを訊かれても君はもう泣かない。

最後の1作は一次通過しました。1作目はチャレンジが空回ってしまって残念。